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名古屋高等裁判所 昭和51年(ネ)446号 判決 1977年10月31日

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴代理人は「原判決を取り消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、なお、控訴人敗訴のときにおける担保の提供を条件とする仮執行の免脱の宣言を求めた。被控訴代理人は主文と同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張および証拠関係は次のとおり附加訂正するほか、原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。

一  原判決四枚目表初行目の「原告は」から次行目の「青山萬拙を介し」までを「被控訴人の代理人青山萬拙(控訴人、被控訴人の叔父)は昭和四八年五月下旬ころ控訴人に対し」と、同八行目に「辛棒」とあるのを「辛抱」と訂正し、同四枚目裏九行目から同五枚目表二行目までの「(三)の(ロ)」の項全部を「被控訴人は昭和四八年七月六日の本件調停事件の調停期日で、担当の調停委員を介して、控訴人に対し遺留分減殺の意思表示をした。」と改める。

二  被控訴代理人は甲第八号証の一ないし八を提出し、当審での被控訴本人尋問の結果を援用し、控訴代理人は当審での控訴本人尋問の結果を援用し、右甲号各証の成立はいずれも不知と述べた。

理由

当裁判所もまた原審と同じく、被控訴人の本訴請求を正当として認容すべきものと判断する。その理由は次のとおり補正するほか、原判決理由説示と同一であるからこれを引用する。

原判決一六枚目表二行目の「原告が」から次行目の「青山萬拙を介し」までを「被控訴人は、その代理人青山萬拙が昭和四八年五月下旬ころ」と、同五行目から次行目にかけて「原告本人の供述」とあるのを「原審および当審での被控訴本人尋問の結果、これにより成立を認める甲第八号証の一ないし八ならびに弁論の全趣旨」と、同一七枚目表一〇行目の「原告は」から次行目の「青山萬拙を介して」までを「被控訴人の代理人青山萬拙は昭和四八年五月下旬ころ控訴人に対し」とそれぞれ改め、同裏二行目の「7(三)」の次に「(イ)」を加え、同二行目末尾の「そして」から同一八枚目表六行目までを削り、同裏末行目に「廃除」とあるのを「排除」と訂正し、同二一枚目表三行目に「遅くとも昭和四八年九月一〇日」とあるのを「昭和四八年五月下旬」と、同一〇行目から次行目にかけて「右の形成権とは別個に」とあるのを「民法一〇四二条の規定により」と改める。なお原判決の認定事実に反する当審での控訴本人の供述部分は原判決の採用する証拠にてらしたやすく信用できない。

そうすると、右と同旨に出た原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、民訴法三八四条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

なお仮執行免脱宣言の申立ては相当でないので、これを却下する。

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